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2025/05/26 09:57

こんにちは。
junonoです。

今回は、サハラ砂漠とそこで採れる「砂漠の薔薇」と呼ばれる天然石について紹介します。

「砂漠の薔薇」は世界各地の乾燥地帯で見られますが、特にチュニジアやモロッコといった西サハラ地域が主な産地として知られています。

「砂漠の薔薇」はその神秘的な生成過程や美しい形状から、多くの人々に希望やインスピレーション、そして幸せをもたらしているようです。

まずは、一生に一度は訪れてみたい憧れのサハラ砂漠へ。

モロッコのサハラ砂漠へ

アラブ諸国の中でも比較的治安がよく、観光資源が豊富なモロッコ。

そのモロッコにあるサハラ砂漠への主要な玄関口となっているのが、メルズーガ村です。

この村へは首都カサブランカや古都フェズ、観光都市マラケシュといった主要都市からバスか車で7〜10時間。

エルラシディアまで飛行機でいく場合は、そこから車で2時間ほどです。



こちらは、メルズーガ村の「カスバ」と呼ばれるカスバ風の宿泊施設です。

すぐ背後には、サハラ砂漠の壮大な景色が広がっています。

「カスバ」とは、アラビア語で要塞や城塞を意味する言葉。

モロッコ各地には、かつて外敵や盗賊から住宅や街を守るために建てられた土造りのカスバが残っていて、現在ではその多くがホテルや観光施設として利用されています。

かつてサハラ交易の拠点だったメルズーガは、隊商宿や集落の住宅が多くあって、カスバはほぼなかったようです。

観光業が盛んになってからは、砂漠の風土に調和したカスバ風ホテルが建築されるようになったらしいです。

ここは各ユニットごとに貸切るスタイルで、門や屋上テラスが付いた居間と複数の寝室を備えた、2階か3階建ての細長い戸建てタイプでした。



ラクダのおうちも併設されていました。



カスバのエントランス付近にも、まるで駐車場のように、ラクダ専用の「駐ラクダ場」も設けられていました。



アーシーな感じです。



ハライト(岩塩)と思われる鉱物も野外に飾られていました。

モロッコでは透明、白、グレー、ピンクといったさまざまな色の岩塩が採れるので、これも現地産かもしれません。



いよいよ憧れのサハラ砂漠へ。

まるで海辺のホテルからビーチへ下りていくような感覚で、部屋を出るとそのまま砂漠に足を踏み入れることができます。

特に入り口があるわけではなく、どこからでも自由に砂漠へ入れるのが印象的です。

ラクダに乗って砂漠を進む人々を遠くに眺めながら、自分の足で黄金色の砂漠を歩きました。

一歩踏み出すごとに、靴の半分以上がすっと砂に沈み込みますが、足を上げると簡単にスポっと抜けて、サラサラと砂が流れ落ちていきます。

どこを見ても絶景。

時間や場所の感覚が薄れていき、まるで異次元にいるかのような…

いつの間にか心が無になって、砂漠の砂と自分が一体化してしまうような不思議な感覚に包まれます。



光や天候の加減なのか、サハラ砂漠は赤みのある色にも変わりました。

ある種のバラ色ですね。

幸せをもたらすサハラ砂漠の薔薇石



メルズーガでは、この雄大なサハラ砂漠の大地に生まれる「砂漠の薔薇」と呼ばれる鉱物が採れます。

まるでサハラ砂漠に咲く薔薇の花のような、不思議な形の天然石。

ノルウェー科学技術大学の研究員が発表した論文によると、モロッコ産の砂漠の薔薇は石膏(硫酸カルシウム)を主成分とする円盤状の結晶が交差してできているとのこと。

湿った砂の中で形成されて、水分が蒸発して生まれるそうです。

比較的割れやすく、儚い石なので、丁寧に取り扱う必要があるとのこと。

まさにお花のような繊細さですね。

砂漠の薔薇は、その鉱物名から「セレナイト・ローズ」とも呼ばれています。

ちなみに、主成分が重晶石(硫酸バリウム)の「バライト・ローズ」と呼ばれるものもあるようです。



薔薇の花びらの上に、さらに小さな薔薇が次々と形成されつつあります。

本当に奥が深い造形の天然石ですね。

モロッコでは、砂漠の薔薇は幸せをもたらす置物として飾られるようです。

過酷な砂漠の中で生まれることから、「逆境の中からも美と強さが開花する」という意味合いがあるらしいです。

「忍耐、周期性、変容、そして変化」「困難な時期の回復力と強さ」、そして「前進し続ける勇気」などの象徴ともされているようです。

砂漠の薔薇がもたらすインスピレーション

そんな砂漠の薔薇は、さまざまな人々を魅了しています。

「砂漠の薔薇」の存在は、鉱物そのものを超えて、広く文化的なインスピレーションの源となっているようです。

たとえば、「砂漠の薔薇ラリー」と呼ばれる、女性のみが参加可能の車・バイクのサハラ砂漠横断ラリー&教育・人道支援イベント。

パティスリー界のピカソと言われるピエール・エルメ氏が創作した、斬新な砂漠の薔薇デザインのケーキ。

その他もいろいろとあるのですが、ここでは砂漠の薔薇からインスパイアされた、壮大なプロジェクトと小さな幸せのひと時をそれぞれ紹介します。

こちらは、砂漠の国カタールのドーハにあるカタール国立博物館。

円盤が複雑に重なり合った独特のフォームが美しい。

巨大な砂漠の薔薇をイメージしたデザインです。

プリツカー賞を受賞して、ルーブル・アブダビや東京の電通本社ビルなども手がけたフランス人建築家ジャン・ヌーヴェル氏が設計した大作。

砂漠の国を象徴するにふさわしい、圧倒的な存在感を放つ美術館です。

お菓子メーカーも、チョコフレークを固めて「砂漠の薔薇」を模したお菓子を作っています。

そして、一部の一般の人々も手作りを楽しんでいるのです。

作り方はとても簡単で、あっという間に完成します。

湯煎でチョコレートをクリーム状に溶かして、プレーンのコーンフレークを混ぜて一口大にまとめるだけ。

器に黄金色の砂に見立てたブラウンシュガーを敷き、チョコフレークと、砂漠の薔薇に似たくるみを飾れば、箱庭ならぬ「箱砂漠」の出来上がり。

モロッコ風に香高いフレッシュミントをたっぷり入れた紅茶かハーブティとともに、いただきます。

ささやかなひと時ですが、とても幸せな気分になります。

サハラ砂漠に咲く薔薇石。

その存在はもちろん、素材や形を変えてもなお、人々に感動やインスピレーション、そして幸福感をもたらして、さまざまな恵みを与えてくれているように感じました。

それでは、また次回に。

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