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2024/07/12 15:41

こんにちは!
junonoです。

今回はフランスのパリ、ソルボンヌ大学にあるミネラル(鉱物/天然石)のコレクションを紹介します。

400年もかけて集められた約16,500点のコレクションの一部です。

ブルータス珍奇鉱物のムック本によると「世界で最も美しいコレクションの一つといわれる展示」だそうです。

それでは、ソルボンヌ大学のキャンパスへ。

ソルボンヌ大学のキャンパス

ソルボンヌ大学は長い歴史のあるレベルの高い大学です。

13世紀の初めごろから、いろいろな学校が分離したり合併したりして現在に至っています。

ミネラルのコレクションがあるのは、ソルボンヌ大学で科学と工学を担うピエール・マリー・キュリーキャンパス。

もともとは、2018年に合併したピエール・マリー・キュリー大学(UPMC 旧パリ第6大学)だった場所です。

こちらは他のソルボンヌ大学の歴史的な建物があるキャンパスと違って、高層タワーなどがある現代的なキャンパスです。

ミネラルのコレクション

ミネラルのコレクションはもともとは大学の研究所が持っていたもの。
それが図書館管轄の科学・遺産のコレクションの一部となって公開されるようになったそうです。

案内してくださった大学の研究員の方によると、400年もの年月をかけて集められたコレクションは、2024年時点で鉱物が約16,500点。
測定器や教育用具が約100点。

さらに年々増えているのだそうです。

展示されている鉱物はそのうちの1,500点。

現在発見されている5,500種以上の鉱物のうち、約1,000種が展示されているとのことです。




エントランス。
展示室は自然光が一切入らない地下にありました。



中に入ると、いきなりズラリと並ぶ圧巻のコレクション。

こちらに見えている鉱物の多くは、ファインミネラルと呼んでいいクオリティが高く芸術的なものでした。



「接近と長居はしてはいけない」と注意を受けた放射線を放つ可能性のある石を集めた特別な展示室もありました。

ディスプレイ



ああ、なんて眩いのでしょう!
ミネラルは自然が生み出した色と形と光と質感のアートですね。

ディスプレイのほとんどは全面ガラス張りで、石を全方向からみることができる最高の仕様になっています。

しかもライティングに細部までこだわっていて、それぞれの石が美しく見えるように工夫されていました。

気になったミネラル

たくさんの美しいミネラルがあったのですが、ここでは色、形、華やかさ、芸術性、希少性の点で個人的に気になったミネラルを1点ずつピックアップしてみました。



サルファー(硫黄)。
あざやかなイエローで目立っていました。

温泉に入っている物質のイメージがありますが、パワーストーンとしても知られています。

ストレスや悩み、ネガティブな思考などを解消してくれるパワーがあるといわれているようです。



オケナイト。
ウサギのしっぽみたいなので、ラビットテールとも呼ばれています。

無骨なジオード(晶洞)に抱かれている見た目がふわふわのかわいい石♥

このギャップが不思議な雰囲気を醸し出していました。

癒しや魔除けの効果があるといわれているようです。


ルチルクオーツ。
クオーツの中にルチルが入っています。

ビーズなどにしたアクセサリーもいいですが、このようなオブジェ状のものは一段と豪華ですね。

ルチルクオーツが光で下に反射をして、オブジェを更に引き立てていました。

金運や直観力、エネルギーを増幅したり、輝く人生に導いてくれたりするといわれているようです。

パーティやお祝い時のテーブルにセッティングしたら華やかになって、居合わせた全員を幸せにしてくれそうな感じがしました。


ベリル。
いろいろな色や形のベリルが周りにある中、ミルキーなブルーのベリルは、ミルキーなデフォルメされたバラに包まれているように見えました。

優美で落ち着いたビジュアルで、とても癒されます。

自宅でまったりしているときに傍にあったらいいな、と思った優しく美しいミネラルでした。



クメンジャイト★
下部中央です。
メキシコ、ボレオ鉱山産の星形★をした濃青色のとてもとても希少な石。

中でもひな壇の上段にある石は、世界で発見されている大粒7つのうちの3つだとのこと。

その右側にあるのは、岩石に埋まった状態のクメンジャイト。

大学自慢のコレクションの一つらしいです。

教育と研究

ソルボンヌ大学のミネラルコレクション、実は小学生向けに解説されているのだそうです。

器具の展示やミネラルの説明はかなりしっかりとされていました。

周期表とサンプルと分子モデルのディスプレイ。

鉱物の研究器具。

エントランスには、分子モデルのサンプルや資料などもあって、その場で組み立てて遊んだり、学んだりできるようになっていました。

はなやかなディスプレイの裏では、研究と教育への取り組みにもかなり力を入れているのだそうです。

地質学者、物理学者、化学者、医師など、幅広い分野の研究者たちへの情報共有やミネラルのサンプル要請にも対応。

提供した鉱物のサンプルは、火星へのミッションやパリのノートルダム寺院のステンドグラスの分析などに活用されているとのこと。

都市の土壌汚染、サルコイドーシスや珪肺症などの研究にもささやかながら貢献しているそうです。

普段は気付かないところでも、ミネラルは私たちの日常を陰で支えてくれているありがたいものなのだと改めて実感しました。

目や心の保養だけではなく、学びも多いソルボンヌ大学のミネラルコレクションでした。

それでは、また次回に。

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