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2025/12/12 13:18

こんにちは。
junonoです。

今回はフランスのブルターニュ地方にあるロッシュフォール・アン・テール村のクリスマスの様子と、聖書に記されている石を紹介します。

ロッシュフォール・アン・テールは、人気テレビ番組「フランス人が選ぶお気に入りの村」で2016年に第一位に輝いた村。

「フランスの最も美しい村」「フランスの風格ある小さな街」の一つとして登録され、「花いっぱいの街/村」では最高ランクの花4つの認定を受けています。

たくさんの称号を持つこの村は、歴史ある家並みが色濃く残っていて、まるでおとぎの国のような愛らしい村。

クリスマスのイルミネーションは、童話の世界で光の魔法にかかったようだと、テレビのニュースやSNSで話題になっています。

工芸作家たちもここで活動していて、アートの実演販売も行われていました。

それでは、村へ。

ロッシュフォール・アン・テールと砦

ロッシュフォール・アン・テール村へは、パリからは新幹線とタクシーで3時間半程、レンヌからは車で1時間20分程。

ロッシュフォール・アン・テールという名称の意味は「大地の中の石の砦」。

12世紀に小高い丘に突き出した岩の上に砦が築かれ、そこから村が広がったそうです。

この村は、大地と大西洋岸との交易を監視するための戦略的な位置に建設されたとのこと。

まずは、村に入って砦を目指します。



おとぎの国にあるような不思議でかわいい造りの建物が砦の入り口に。

そこには冬にもかかわらず、なんとあじさいが咲いていました。

冬に野外でのお花は期待していず、冬のあじさいは初めてみたので、とってもうれしいサプライズ。

さすが「花いっぱいの街/村」として最高の4つ花認定を受けた村です。




わあ、なんてミステリアス!

砦の崩れた城壁の箇所では、奇妙な木、絡まるツタ、現代のダークファンタジーアートが見事に融合して、自然と時と人が造った一大アートとなっていました。

砦の一部はファンタジー博物館になっています。




やがて闇が訪れ、砦に幻想的なイルミネーションが浮かび上がりました。

クリスマスのイルミネーション



砦から灯りに導かれて坂を下りると、村中が優しい光の魔法に包まれていました。




まるで、おとぎの国のクリスマス。




ジンジャーブレッドで作られたお家みたい。



ちなみにジンジャーブレッドとは、ハチミツや生姜、ナツメグ、クローブなどを加えたケーキやクッキー。

クリスマス時には、人型や星形などにしてオーナメントとして飾ったり、お家型にして置物にしたりします。

クリスマスのクリッペ



村の広場には、大きくて荘厳なクリッペが飾られていました。

クリッペとは、キリストの誕生を再現した模型。

13世紀からあるクリスマスの伝統的な飾りです。

クリスマスツリーの飾りは16世紀から始まったらしく、それよりもっと歴史があるようです。




教会に入ると、世界から集めた小型のクリッペが展示してありました。

左上はペルーのカラフルな棚入りのもの。

賑やかで目を引くうえに、設置スペースを取らず、片づけも簡単そう。

左下はポルトガルから。
かわいいジンジャーブレッド風のもの。

右はルワンダから。
ナチュラルでシンプルイズベストな木製のもの。

同じ宗教の同じシーンなのに、こうも表現が違うとは。

その他、全ての登場人物の肌色が黒い南アフリカや褐色のブラジルのもの、豪華な布製の衣装を纏ったイタリアのものなどがありました。

地域性が垣間見れたクリッペが多くあって、なかなか興味深かったです。

聖書の石

クリスマスのこの機会に、聖書を少しだけ読んでみました。

キリスト教において、石は神や神に近いものらしいです。

イエス・キリスト自身が教会の礎石となっていることもあるからでしょうか。

旧約聖書の出エジプト記に、イスラエル12部族を象徴する12の宝石を施した大祭司が身に着ける胸当てについて記されていました。

大祭司の胸当ては、12部族の民の代表として、神の前に立つための象徴的な装備。
ゼッケンのように装着するようです。




こちらは、ドイツのBraun & Schneider社から19世紀に出版された『衣装史』の挿絵。

大祭司の胸当てが描かれていました。

この胸当ての12の宝石は、誕生石の由来となったのではないかとも言われています。

新約聖書のヨハネの黙示録にも「新しいエルサレム(聖なる都)」の城壁の土台として、同じく12の宝石が登場します。

その宝石のうちのいくつかは、大祭司の胸当てのものと同じようです。

胸当ての12の宝石の種類は、はっきりしないのですが、概ね次のような見解です。

  • ルビー or(または) カーネリアン
  • トパーズ or ペリドット
  • エメラルド or 緑色の石
  • ガーネット or ターコイズ
  • サファイヤ or ラピスラズリ
  • ダイヤモンド or ジャスパー
  • オパール or ジルコン or シトリン
  • アゲート
  • アメジスト
  • ベリル(アクアマリン?)
  • オニキス
  • ジャスパー or それ系統

原本のヘブライ語を読んでも明確には特定できず、翻訳の違いや、当時と現代で鉱物の名称・分類が一致しないことなどから、はっきりと特定できないようです。

歴代の学者たちの書物を読んでも、見解に違いがあります。

アメジストとオニキスだけは例外で、歴代の学者や翻訳者から12の宝石のひとつとしてほぼ確定視されて、意見が一致しているようです。

それぞれの石の効果や意味については、聖書の中では特に記されていないようでした。

ただ、聖書に登場する描写から、人々は象徴的な意味を読み取ってきたようです。

たとえば、聖書ではジャスパー(らしき石)が「新しいエルサレム」の城壁に使われていると記されています。 

そうした背景から、ジャスパーを守護の力を持つ石として捉える人もいるようです。

工芸&ショップ

聖書を閉じて、お店回りへ。

天然石ショップで目にとまったアメジスト。
先ほどの12の宝石の一つです。

ジオードの不揃いの石に光が反射して、ランダムな灯りがキラキラ。

壁や台座の平面に当たってぽわーっと優しい感じの関節照明と対比して、いい感じです。

普段飾ってあるジオードに、クリスマスの時だけストリングライトをくるくると巻いて入れるのは、簡単でいいアイディアですね。

ガラス工芸作家の実演アトリエもありました。

とても繊細なタツノオトシゴ。

キラキラしていて、この季節はクリスマスツリーのオーナメントとして使えそうです。

その他、刺繍、陶芸、絵画、アクセサリなどの工芸作家の実演をしているショップやアトリエをいくつもみかけました。

ロッシュフォール・アン・テール村のクリスマス。

光の魔法がかかったおとぎの国に、迷い込んだみたいでした。

村を離れて街に入ると、建物に映し出されるプロジェクションマッピングの鮮やかなイルミネーションがあふれています。

新たな別次元に足を踏み入れたような感覚になります。

この時期は、さまざまな美しい世界を旅するような楽しさに満ちていますね。

それでは、素敵なクリスマスシーズンをお過ごしください!

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